仕事が終わらない。
ふと気がつくと夜も更けている。
駅までの道を半分過ぎたところで、携帯をデスクに忘れたことに気づいて、取りに戻る。
あれがないと、明日4時半に起きられない。
百歩譲って起きられなかったとして、そういうわけで行けませんとメールも打てない。
ずいぶん、ぼんやりしている。
電車で目の前の席が空いて、やれやれと座ったときに、
何の脈絡もなく、やっぱり、アッパーって腹筋がないと上がらないよな、と思った。
腹筋で支えられないから、反動で微妙に上半身が回転する。
ボクシングって腕の筋肉なのかと思ってたけど、
腹筋なのかもしれない、いやそりゃ両方あったほうがいいに違いない、
とか考えていたら乗換駅になった。
たまにタイミングよくて鏡の前に行けたりすると、柄にもなくナルシスト的に
自分のフォームを見るともなく見ながら、そんなことを考えるともなく考えている。
いや、ほんとのところは、何も考えてはいないのだ。
村上春樹の言葉を借りれば、それは雲なのだ。
「川のことを考えようと思う。雲のことを考えようと思う。しかし本質のところでは、何も考えていない。僕はホームメードのこぢんまりした空白の中を、懐かしい沈黙の中をただ走り続けている。それはなかなか素敵なことなのだ。誰がなんといおうと。」
村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』
今日も5キロ走ったから、あと90キロ。
ふくらはぎ筋肉痛。