同僚さんと原美術館に行く。
会社から5分もかからないところにあるのに、今まで会社の人でそこに行ったことがある人にお目にかかったことがない。
縁というのは、そういうものなんだろう。
ハラビはもと原さんの個人宅だったところを美術館にしただけあって、こじんまりしたかわいらしい造りの現代美術作品の美術館で、以前にも来たことがあった。
今の会社に入ってからも、たまに一人で昼休みに行ったり、退職した方と2回ほどランチしたことがある。
お気に入りの常設をご案内して、昼ごはんを食べると、けっこういい時間になってしまう。
企画展が面白そうだったけれど、動画作品だったこともあって、あまりゆっくり見られなかった。
公園のブランコが延々と揺れている作品を見ていたら催眠術にかかりそうになる。
いっそのこと、かかってしまえばよかったのに。
8日までというけど、もう一度行ってこようかな、と思ってWebサイトでイベント欄を見ていて、ライヒとペルトのコンサートが告知されている。
自分にライヒを教えてくださったのはたしか小沼先生で、最近はテレビでもご活躍である。
思い起こせば、30代の頃はずいぶん大学というものに通っていた(下手すると授業料を払っていた頃よりも)。
Steve Reich Drumming - Portland Percussion Group
後半、ドラムのスティックが扇状に見えてくる。
無限のループのように思えた時に、いきなりの終息。
文字どおり、そこで息がとまるような。
ペルトのパーカッション作品とは何ぞや、と探していて辿りつく。
Arvo Pärt/Kuniko Kato:Cantus In Memoriam Benjamin Britten(1977/2012)
行こう。
池澤夏樹原作のドラマ音楽で聞いたのがペルトとの出会いだった。もうずいぶん前になる。絶え間ない高音と昇華ともいうべき最後部にただ衝撃を受けた。
Arvo Pärt - Tabula Rasa, I
自分の一部がこんな作品たちによって醸成されてきたことは、まあなんというか、一抹の救いともいえるのかもしれなかった。