2016/04/26

迷路

少し前から決断ということについて考えていた。
といっても、考えるというほどでもなく、単に気になっていたというべきなのかもしれない。
ある人から「それはbusiness decisionですか」と尋ねられたのがきっかけだった。
そのときその文脈で意図されていたことはたぶん分かったつもりだった。
以来、ふと考えるともなく、時にその言葉が浮かんだりした。
整体から帰ってきてテレビをつけたら、井山棋士の特番をやっていた。
もう番組も終わり近かった。
一手一手に魂を込める。
どんな未知の局面に入っても自分を信じる。それに尽きる。
その手を打ったときの心はどうだったか、迷いはなかったか。
そんな言葉が心に残って、ぼろぼろ泣く。
自分が下した決断が適切だったかを振り返るということは、そのときの自分の心を振り返ることなんだ、と、至極当然のことに気づく。
録画していたので、最初から見る。
人間の決断に100%正しいということはないだろうと思っている。
時や場所、立場なりを変えれば、同じ決断であっても正しくもあり間違いでもあり、あるいはその境界にあるかもしれないし。
ただ、そこに魂がこもっているか、ということだけは、振り返れば自分でも判断がつく。
魂なんていうと漠然としているけれど、要は、そのとき与えられた環境において最善を選んだことに自信を持てるかどうか、たとえ短期的に思うような結果が出なかったとしても、いずれ巻き返す覚悟があるか、というようなことなんじゃないか、と。
それなら簡単だ。
出口のない迷路に入りこんでしまったようなときは、ここに戻ってこよう、と思う。