2016/05/15

おもいでの

歌うおじいさんのことは記録しておかなければいけない。
大崎駅から出て川べりを少し歩いたところに小さな公園がある。突っ切って会社に向かうわけだけど、晴れの日にはほぼ毎朝見かけるおじいさんがいる。公園の縁石に腰掛け、楽譜を顔の前に構えて、歌っている。
側を通るときにしか聞こえないくらいの声なのだが確かに音程はあって、朗読ではなく、なにかさだかではないが、とにかくなにかを歌っている。
おじいさんは歌っていた。平日は朝だけど、休日は昼歌うのか、朝からずっと歌ってるのか。
通りすがったとき、おもいでの、おもいでの、と聞こえた。