母の日にかこつけて、少し駅から遠いけれど一度入ってみたかったケーキ屋さんに寄ってフランボワーズとチーズケーキ、ミルフィーユを買う。一つはお隣への土産。
「母の日」と書かれたハート型のチョコレートをサービスしてくれる。
実家の本棚に残してあった北村薫の文庫本を3冊持ち帰る。
帰宅して、文庫の『空飛ぶ馬』を読み始めた。
円紫さんという落語家と主人公が、落語の話をする。
落語家は、「樟脳玉」に出てくる捻兵衛さんという愛妻家と、「夢の酒」で旦那が夢の中でいい女に会ったと聞いて可愛く焼き餅を焼く新妻は、たしかに同じ類の人間ですね、と言う。
その後、主人公は、天守物語の言葉を引いて、
「泣くな泣くな、美しい人たち、泣くな」
そんな気持ちで、あなたはこの落語をやってらっしゃるんでしょう、と言う。
作中に出てくる落語を聞いたことはなかった。
「夢の酒」と「樟脳玉」は探してみるとすぐみつかって、文楽と円生で聞く。
天主物語は読んだことはないが、やはり自分は、泣いてる人の部類には属していなくて、そんな美しい人たちを見ながら、泣くな、と言う役回りだろうと思う。
そのうち読んでみよう。