2010/07/06

携帯の

電池のもちが悪くなってきた。普段なら気付かなかったのだろうけれども、転職活動の最中、夕方になると充電が切れてしまうというのはいただけない。だいぶ長く使ったような気もするし、ポイントも溜まっているはずだし、で、そろそろ、とショップに買い替えに行く。

基本的に電話とメール、たまに写真が撮れれば満足なので、シンプルで軽く小さいのにした。
データフォルダの中身を新携帯に移してもらって、確認してください、といわれるので、見てみると、ずいぶん昔に撮った実家の猫(すでに故猫)の写真が出てきて、しばしほろりとしたりする。

使用済携帯のリサイクルに同意すると、ショップのおねえさんは「5年も使っていただいたのに、傷も少なく綺麗に使っていただいて、携帯もよろこんでいると思います」と言ったあと、近くの機械でガガガと携帯の中央部に穴をあけた。

モノに魂がないなんてのは、嘘じゃないだろうか。身近なものが、仕事を終えて、自分のもとを去っていくときには、なにかしら、空気が震えるような気がするのである。

現職をやめると決めたあとが、結果的にいままでで最も残業をした時期になった。2年3カ月の間に溜まりにたまったまま未整理だったメールを保存してから消去するために、一通一通、いちおう見てみないと気が済まない。勢いで消してしまったものもあるが、夜も更けて、ひとりフロアに残ってdeleteボタンをクリックし続けるときには、どこかしら、あの使用済携帯の真ん中に穴があいたのを見たときと似たような感慨をおぼえるのである。

ともあれ、明日が最終日。