2021/08/28

翌日

あの場所に行ってみたのだけれど、当然ながらあのオレンジの靴は、もうないのである。

人間の頭というのはものごとに意味を与えたがるものだというけれども、数通りのストーリーを考えた。いちばん現実的な落としどころとしては、こんな感じ。

オレンジ靴の主は可愛いおばあちゃんで、ひょんなことからご趣味に麻雀を始められたのだけれども、雀荘に行くには抵抗があるので、クリーンな麻雀店をセレクトされた。おばあちゃんを案じるリッチなご家族が送迎ハイヤーをあてがってくれている。なにしろ上品なお家柄なので、通常、車内は土足厳禁とおばあちゃんは思っているので、いつもの習慣でご丁寧に車外で靴をお脱ぎになってバンのステップを上がったのだけれども、運転手さんのほうは、まさかおばあちゃんが靴を脱いだなんて思わないから靴を置き去りにして出発した。

おばあちゃんは、ご自宅で車を降りようとしたところで靴を置き忘れてきたことに気がついて、ご家族がくだんの店に電話をかけ無事オレンジ靴は回収され、無事持ち主の元に戻ったのである。

ハイヤーでなくて、宇宙船とかに異星人に拉致されたとかでもいいのだけれども、やっぱり土足厳禁の宇宙船なのか、とか土足厳禁から離れきれない。もっと突飛なストーリーを思いつけないところが、いかにも凡才である。


ガラにもなく、いずれそのうちクラブに行って踊るのだ!などと息巻いているのを哀れに思し召したのか、先生方がクラブ系のにぎやかしい曲で振付を作ってくださった。ただの偶然かもしれないけど、まあなんというか、素直に楽しく踊ってまいりました。



一応本人なりにも対策を考えまして、無闇と落ち込むのはやっぱり冒険が足りないせいだと、冒険もしてきました。できもしないくせに細かい振付を好む傾向があり、予想通り全然できなかったけど曲が好きだったから楽しかった。また行きたいな。

地上を夢見る魚 - I Don't Like Mondays


じぶんにきれいにできるかは別として、本来の音楽の好みからいくと、ど真ん中の曲。聴く以外に音楽の楽しみかたがあったなんてこと数年前は知らなかった。

アーカイブス6


2021/08/23

賃貸の自室マンションは幹線道路に面している。その道沿いのマンションたちを少し過ぎたところで折れて、高架下を通ると最寄駅に行くのに近道だ。

高架下なので、金網で仕切られた駐車場とか使途不明の狭い土地、階段通路などしかない殺風景な場所なのだけれども、ここにはよく靴が落ちている。

子供用の靴ならば、ああ自転車に乗っている時に脱げて落ちたのだろう、などと想像して納得するのだが、ここで見かけるのは決まって大人用の、多くは男性ものの黒い靴で、時には片方が金網に挟んであったり、低めのコンクリの塀の上に乗っていたりする。

今日は、高架下の手前にある、うろ覚えながら確かクリーンな麻雀の店とかと書かれた店先から数メートル離れたところに、オレンジ色のローファーが店に向かってキチンと揃えて置かれていた。

店内に入るのに靴を脱いで入ったとも思えない。換気でもしていたのか、扉が開いていた時に見た店内は確か椅子席で、脱ぐのは不自然だし、たとえ脱いだにしても数メートルは靴下か裸足で歩かなければ店に入れない。そもそも店外に靴を置きっぱなしにするのも妙だ。

よく屋上から飛び降りる人が靴を揃えて覚悟するシーンがあるけれども、あんな感じで、そのオレンジの靴はえらく丁寧に端然と整列していて、でもそのつま先の向かっている先は、麻雀の店なのである。

夕方見かけたそれは、オレンジのその色も相俟ってか今でも思い出せるほど鮮烈で、不自然で異様なのだけれども、きっと理由を聞いたら、なーんだ、そんなことだったのか、と思うに違いない。

きっと、こんがらがって意味不明で気持ちの悪いことの本当の理由は、意外と理路整然とシンプルだったりするものだろうと思う。そんなものだろう。けど、気持ち悪いものは悪い、ただそれだけのこと。

2021/08/17

昨日今日

 好きだったもろもろ。

 

気持ちの夏バテにもTKG。

2021/08/16

つかみたい光に

結局のところ踊りというのは他人に見られる前提で存在するものだから、他人に見せる意識って、どういうことなんだろうと最近考えていた。

スタジオで誰か(先生か生徒さん)に見られている状態になることはあるけれども、やはり自覚的には、極力見られていることを意識しないようにしようという気持ちしかない。

じぶんの場合、特に指定がない場合、曲が始まる前、やや上方の虚空を見るような眼差しになるのは、地面に近いところにいる人の顔を見ないため、そこに人がいることを忘れるためである。たぶんそんなことを思っていてはいけないんだろうけれども、それ以外の選択肢がいまのじぶんにはない。

関係あるかないか分からないけど、向かい合わせで腰掛けている車内などでも、携帯なり何なりを見る用事がなければ、向かいの人と顔を合わせないために斜め上をむく。時々、正面の方が自分の視線の先の窓外を振り返るようにして見ることがある。ええ、そこにはなにもないんです。たいがい空があるだけです。

ともあれ是非ともじぶんを見てくださいというようなメンタルに至らないのは上がり症なのが主な原因だと思っていたけれども、今日ふと目にした文章で、あ、と思うことがあった。

自分が感動するからこそ人も感動するはずだ。

なるほど。やってる本人が俺素晴らしいパフォーマンス準備してきたわと少しも思ってなかったらやはり他人を感動させることなんてできないだろう。個人的状況に引き当ててみれば、準備万端でレッスンに臨めることなんてないし、これで出来上がったと思えたことなんて一度もないから、それで他人に見せたいと思わないのかもしれない。一理あると思う。

他方、踊ってる間は何も考えてなくて夕飯カレー食べたいとか考えてると聞いたこともあるような気がする。

いろんなタイプがあるんだろうな、と思いながら、きっと何か良いこと言ってそうな気がして検索窓に彼の方のお名前を叩いてみた。

羽生結弦 | フィギュアスケート

直接の答ではなかったけれど、結果的に、そこにはじぶんのための言葉があった。

いろんなことが無駄に思えるような時もあるけれど、内的要因でどういう風に調子が悪くなっていくのか、そして、そのうち良くなっていくのかも、もう少し後に、きっとじぶんにもわかるだろう、やっぱり好きだから。そう思った。

2021/08/15

最近

 最近好きだったもろもろ。


2021/08/14

Groove

けっこう前から漠然と感じていて、こちらを見てから更に確信を得て、hiphop系のレッスンの割合を少し増やしたのである。それなりの高齢になっても、それなりに見えるのって、やっぱりこういう、なんていうんでしょうか、groove系の踊りなんじゃないかと思うし、なにしろ理屈抜きで楽しそうだからである。

昨日久しぶりにお目にかかった先生が長めに語られていた中に、一度好きな系統の曲のかかる日にクラブに行って踊ってきなさいとのご指導もあったので、コロナ禍が一段落したら勇気を出して、一度そういうところに行ってみよかしらと楽しみにしている。

別に、ちゃんと作られた振付がある踊りが嫌いなわけではなく、むしろ好きで。時間も体力も予算も有限だし今は特にこんな状況なので、刺激を求めて冒険、とかに出たりもしていなくて、ほんとに振付が好きな先生にしか教わってないわけなんですが、たまには曲に合わせて思いのままに身体を動かす時間を作るのも精神衛生上よろしいんじゃないかと思ったりする。だいいち疲れないし。

もうとても若いとは言い難いじぶんの体力の限界って、壊れる前にどうやって見極めをつけるべきものなんだろうかと特にこの今日の日にひしひしと思いつつ、なんとなくまた録画したベイビーステップを眺めたりしている。戦略分析と心理分析がこれだけ細かいアニメって今まで見たことがなくて面白い。原作漫画を読むべきか、はて。

2021/08/07

ミステイク2

右手首捻挫の本格化。素麺を茹でる鍋が持てない。

糸井さんが左手歯磨きに戻られたとのことで力を得て、自分も利き手を左手に変えるべく、再び努力する決意をする。まずは仕事中PCに向かう姿勢の問題で、右手首にかかりすぎの重心を分散させる為に整体の先生にも勧められていたけど、あまりのもどかしさに挫折していた左手マウスから。

2021/08/06

ミステイク

宅配スーパーさんにいつものように玄関に買い物袋を置いていただいて、お帰りになる足音を聞きながら、ああ取りに行かないと氷とアイスが溶けるなあ、と思いながら仕事のメールを打っていた。もう1通送ってからでいいか、と思っていたら、そのままかなりの時間が経過して、あ、と気がついた。

2kgの氷が気温30℃超の所に放置されて水になるまで何分かかるんだろうか。所々個体が見えるものの見事に溶けて袋の中の水になっていた「もと氷」とアイスは即冷凍庫に入れて、いまやちゃんと氷とアイスに戻っているのだけれども、袋の中の氷が全部繋がって、およそ平たくなって固まっている。ゴンゴン、と叩いて割って、やっとマグカップに入る大きさになったのが一つ。あとは叩けども割れる気配もないぐらい分厚い氷になってしまった。もう一度溶かして製氷皿に入れ直すべきか。本日のミステイク。