2021/10/31

心の声で

珍しく目を皿のようにして真剣にテレビ画面を見つめていた。小三治さんをしのんでと題された録画2件。

不勉強ではずかしながら、落語を生で聞いたのは数回だけで、うち師匠を生で聞いたのは2回だけ。でも誰が好きかと聞かれたら、自信をもって小三治師匠!と答えると思う。

ちょうど前職を退職することにして、それなりに長い夏休みをとっていたのが4年前、ふらりと池袋演芸場に足を向けた。

せっかく暇なのだからとほぼ日手帳をちゃんとつけていて、8月8日に青菜を、9日に千早ふるを聞いたと貼り付けた番組表に手書きしてある。初日の青菜がとても好きだったので、翌日も通ったのである。

録画の話に戻ると、林家正蔵さんと小三治さんとの対談が面白くて、というか、涙なしには見られない「お小言頂戴」対談だった。

どうしたらもっと落語がうまくなるでしょうか、という問いに、うまくなろうと思わないことです。キミうまくやろうとしてるねいつも。もっと下手でいいの。普通の声でいいの。じぶんの声でやんなさい。じぶんの心の声でやんなさい、とお答えになった。

なんだか、どこかで聞いたフレーズだと思ったら、最近先生に言われたことに似ていた。与えられたものをそのままやったらだめ。ただ単に出されたものをそのままやるんじゃなくて、いかに美味しく、じぶんの味付けができるか、もっと考えること。

そんなことを思い出しながら、いろいろ見たり聞いたりしています。

青菜
千早ふる
たまたま聞いていたら、後半、青菜の話が出てきたからこちらも。