2021/05/03

バッタイ

いつも行くデパ地下のお店に大行列ができていたので、あまり食べたことないけど空いていたタイ料理のお惣菜店に足が向いた。
お惣菜がたくさん残っているのに空いてるのは問題だけど、あと3個ぐらいしかないから、そこそこ売れていると見た。
空腹で辛抱がきかなくなっているので、ここで決めてしまうことにした。

何かの上に具の乗った弁当様のパックの、具だけは見えるが下が見えない。
店員さんに、これなんですか、と聞いたところ、XXXXとおっしゃったんだけれども聞き取れず、え?と言ったら、確かに彼女は「チャーハンです」と言った、と思う。

そのチャーハンらしきものと、なますのようなものと、よくわからない透明な皮の中に具が入っているもの3つセットで安売りしていたので、まいっか、と買って帰宅。風呂からあがって、さて食そうと蓋を開けてみると、焼きそばである。
これはチャーハンではない。チャーハンではないぞ!

気を取り直して調べてみる。タイ料理でチャーハンはカオパットムーというのだそうだけれど、そんな長たらしい名前を彼女は呟いていなかった。多分あの時の口の動きは、焼きそばの意味のバッタイだったんだろうと思った。

発音からして、日本語の話せる外国人の店員さんだった。夕方でお疲れだったから単に間違えたのか、それともそもそもバッタイのことをチャーハンと記憶しているんだろうか、と妙に気になり始めた。

じぶんのようにチャーハンを食べようと思ったら焼きそばだった人が今後続出したらかわいそうではないか。店員さんに教えてあげるべきではないのか。
いや待て、焼きそばではなく、どうしてもチャーハンが食べたい人間で、デパ地下の食品売り場で買い物を済ます人間なんて世の中にそんなにいないだろうからクレームなんてでないだろうか。
いや、そもそもそんなにチャーハンが食べたかったのなら、パックを裏側から覗いて、具の下にご飯らしきものがあることを確認すべきではなかったのか。
そこまでチャーハンに対する執着がなかったということではないのか。そこまでチャーハン愛のないじぶんに、店員さんに怒りをぶつける資格があるのだろうか。

確かに、どうしてもチャーハンが食べたくてデパ地下に行ったわけではないのだ。お目当てのローストビーフの店が大行列だったから、他でもいいかと思ったのだった。

そんなわけで、今日の夕飯は、バッタイとパパイヤのサラダと蒸し春巻きでした。
ついでに、こういった日記らしき文章をちまちま綴ることは、無用な感情の揺れをおさめる効用もありますね。

ところで、こんなどうでもいい話に最後までお付き合いくださったあなたは、たいそう奇特で温厚な方でいらっしゃいますね。きっときっと、いいことがあると思います。