2010/06/30

ジャージャー麺

有給最終日。昼前から出かけて「告白」を見に行く。人生なんて、吐くほど慟哭した後に「なんてね」と立ち上がり、何事もなかったかのようにすたすた歩いていくようなことの繰り返し。そこだけ共感。
本屋に寄ると、「こんな映画に1800円出せるか!」と書かれたポップが立っている。よく見なかったがきっと映画の原作本コーナーか何かだろう。反射的に、「こんな本を読むのに2時間以上かけていられるか」という逆バージョンもある、と思う。

縮毛矯正をかけに美容室に行く。いつものおにいさんと、もろもろ話し込む。おにいさんは、ぽっちゃり色白、料理が御趣味、マッサージもお上手という、一家に一人、ぜひ婿にお迎えしたい好人物である。
たまに他の美容室に勉強のため偵察に行くそうで、ご職業は?と聞かれたら美容師ですとは言えないから、職業詐称するんですという。で、なんて言うの?と聞くと、IT技術者ですとか、クレープ屋ですとか。クレープ屋はありだけれども、こんなに罪のない笑顔のIT技術者なんて世の中にいそうにないと思って、なんでそうなのか聞いてみる。自分のお客さんにIT技術者がいて、その人の話から類推していろいろと作り話をするらしい。困った話になったら話題を変えるとか。IT技術者にはどうしても見えないから、会社員にしたいなら営業とかにすれば、と、つい余計なコメントをする。今にして思えば、看護師さんとか、介護士さんとかのほうがそれらしい、と思う。
3時間強の施術の間におばさんがビニール袋を持って、おにいさんを訪ねてくる。袋の中身は、ジャージャー麺の味噌だれを作ったから食べるべしとの差し入れ。この前、髪をしたときに、レシピの話をしていて、こんど作ったら持ってくるとおっしゃってたんです、原稿用紙1枚分ぐらい感想文を書かなくちゃという。やっぱり好人物である。もしくは、天然のおばさんキラーである。