2010/01/10

薄墨の円

池袋で某検定試験を受験。試験を受けること自体、とても久しぶり。気持ちとしては、ほとんど捨てていて、セミナーは寝ずに聞いたはずだけれど(なにしろザル頭なので殆ど残っていないし)、その後テキストをひととおり読んだきりで、まったく勉強しなかった。試験は4科目。今朝になって、1科目終了後、次の科目との間にかなり長い休憩があるのに気がついて、手持ち無沙汰だしと、テキストの一部をちぎって持参(全部持つと、重いからね)。
費用を会社持ちで申し込んでいるひとたちが連番で席についていて、試験開始まで、ぼそぼそと会話が聞こえる。英語の検定のように、個人で受ける人が多い静寂な会場の空気とは、ちょっと違う。
マークシートを塗りつぶすのが好きだというひとは、わりと多いんじゃないかと思うけれど、わたしもその一人。
この試験のマーク欄は円型で、楕円ではない。楕円の場合は、輪郭をとったあと、まず真ん中に長い線を引き、若干短めの線をその上下に付せば足りるが、円の場合、輪郭をとってから、内側に向かってくるくると螺旋状に余白を埋めていくことになる。書く線の長さが、たぶん楕円より長いんじゃないかと思う。だからどう、ということでもない。試験時間に対する問題数はそれほど多くない。半分程度は勘なので、それほど迷わない。せっかくだから、はみ出さず、均質な黒で、塗りたい。きれいな薄墨の円をシート上に連ねていくことにだけ精神を傾ける。
本郷のスコスで買った芯の太さ0.7mmの、お気に入りシャープペンをたくさん使えて、しあわせ。(ふつうよく売ってるのは0.5mmだから、少し太め。グラフィック用で、書き味がよろしいのです)

ごはんを食べながら、キアロスタミの「風の吹くまま」をかけていたのだが、あまりに光景と会話がナチュラルすぎて、気がついたら途中からブログを打っていたりする。キアロスタミをかけていると、こういうことがありがちである。(もう一度見ないと。。。)昨日は試験前日だというのに、ギルバート・アデア「閉じた本」、カズオ・イシグロ「日の名残り」(翻訳)を一気読み。DVDも2本見た。なにしろ試験の前というのは、無関係なことへの時間消費意欲が旺盛になるものです。

ウィリアム・ケントリッジ、内藤礼の展覧会が気になっている。今週こそ、行こう。あれ、明日、鎌倉で内藤氏のトークがあるんだね。