2020/03/01

バランス

日曜の昼どきに買い物に行くことなんて思い出すこともできないぐらい久しぶりのことなのですが、スーパーはえらい混雑でありますね。
この一週間というもの、仕事と家事を片付けた後は炊事しかない、ということで、これまた久しぶりの自炊モードに入りました。
肉野菜炒め、豚バラ大根、おかゆになめ茸と梅干し、たまに餃子やカレーなど食べていれば幸せに暮らせると個人的には思っているのですが、この際、もう少し選択肢を増やす努力をしましょうかと、また例の大原千鶴先生の和食の本を取り出し、こだわりの出汁で茹で鷄とかぼちゃ煮、茄子煮でも作成しましょうとスーパーに買い物に出かけたわけです。

自室生活が増えると、急速になくなっていくのがお茶っ葉と紙類で、料理の材料と、いつもより種類多めのハーブティーの箱を入手してご満悦となりました。
さて少し前からトイレットペーパーが近所のどこにも見当たらないので、どうしたのかしらと思っていたけれど、金曜の夜にお話しした美容師さんとの雑談で事態を把握した次第です。情報の真贋を判断する基本的なスキルがあることが前提として、やっぱり雑談も大事だなと思います。
確かに紙は家族が多いご家庭にとっては切らしたら一大事でしょうから、必要な方からご入手いただいて、自分はまあ急がずとも、そのうちでいいか、と思いつつ、散歩のついでに近隣の店舗に次回入荷時期の聞き込みをはじめたところでした。
先ほどはじめて、店の棚にティッシュペーパーが存在しているのを発見しました。そう騒ぐほどでもないのかしらと思ったりします。

非常時だから考えること、というのも当然ありますが、よく考えてみなくても、毎日非常時になる可能性はあるわけです。
当たり前のことですが、毎日これが自分の人生最後の日、もしくはダンスができる最後の日、とかになる可能性はあるわけです。
逆に、こういう時だからこそバランスをとって、笑って過ごそうという考え方ももちろんあるわけで、自分の師事もしくは私淑している先生方は、そういう意味でまことにバランスのとれた方達で、しあわせだなあと思う次第です。


以前に一度、怪談ドラマのナレーションを聞いて、めちゃくちゃ良い声だなとお名前だけ記憶していましたが、年初あたりから先生が心底心酔なさっているご様子なので、講談ねぇ、と思いつつ重い腰を上げて、数日前に神田伯山先生の義士伝のお話をYoutubeではじめて聞いてみました。
まくらが素晴らしい。赤穂義士伝のテーマというのは別れであって、心の中だけで愛するものにさりげなく別れを告げていく物語です、という言葉にすでにうるうるとなりました。
あとで思ったことですが、結局、生きていくというのは、毎日誰かに別れの挨拶しているようなものでありますね。
今日が最後のお別れで、また会えたら、それは僥倖。

さて、では茹で鷄作りにかかりますか(最後の晩餐になるやもしれず)。