2010/02/20

invictus

あまり雑誌は買って読まないけれど、病院の待ち時間に見た「日経アソシエ」も映画の待ち時間に読んだThe21もノート術の話だった。読んでもやはり自分なりの使い方しかできないけれど。予想外の収穫は、齋藤孝さんの「交渉前に1分、3点考えましょう」という記事。紙に、交渉の1、利益(複数ある場合は優先順位をつける)、2、オプション(1の利益を守るためにできる提案)、3、 Best alternative negotiated agreement(バトナと略すそうな)、もし交渉決裂したらどうするかという逃げ道、だそうである。これを実際面談に入る前に考えておくと実のある話になりますよと。なるほどだった。社外だけでなく社内向けにも使えるかも。

インビクタス、モーガン・フリーマンのためにあるような映画だと思いつつ見ていたら、エンドロールを見ると彼もプロデュースに携わっているようだった。感情的にぐぐっと惹きつけられたというよりは、マンデラ氏の姿から、どれほど人を赦せるか、とか魂のありよう、みたいなことをふと考えてしまう。スポーツつながりということで、ちょうど今の時期、オリンピックをちらちら見ることもあって、(そうそう、今日のカーリングのイギリス戦は、すこぶる面白くて、珍しくじっくり見てしまった。)Fundamental principle of Olympismというのをはじめて読んだのだが、人間の尊厳保持、平和な社会、スポーツをすることは人権の一つ、などと書いてあったのを思い出した。スポーツに限らず、何にしろ、たとえば仕事も趣味でも、打ち込めば尊厳であり人権であり平和にも繋がるかもしれないが。南アのラグビーチームの主将役で出たマット・デイモンはずいぶん鍛えあげたように見えて、「グッドウィルハンティング」の昔とは印象がずいぶん変わったものだと思う。ラグビーが好きな人には嬉しい映画かもしれない。

TVでトヨタ問題を特集している。やはりメーカーのはしくれに勤めている者としては、危機対応のモデルケースとして勉強になることが多い。
リスクには想定内の(あらかじめ予測し製品に組み込める)ものと想定外のものがある。想定外の使われ方をした場合の不具合に、どう対応するか。会社やブランドへの期待値を上回る対応ができればそれが信頼回復の契機ともなる。
グローバル企業において、本当の「危機」が起こってしまった場合、本社にしか意思決定権が与えられていないと対応が後手後手になる場合が多い。地方分権化を進めるべき。
有事において、とりあえず火を消す、法的責任を取る、ところまではできても、顧客はもちろんのこと、政府やその他関係者へのコミュニケーションが不足すると事が必要以上に大きくなる。
などなど。

おまけ。映画のテーマともいえる詩(Invictus)。
ネタバレかな。一応、これから映画観る人は読まないほうがいいかも。

Out of the night that covers me,
Black as the pit from pole to pole,
I thank whatever gods may be
For my unconquerable soul.
In the fell clutch of circumstance
I have not winced nor cried aloud.
Under the bludgeonings of chance
My head is bloody, but unbowed.
Beyond this place of wrath and tears
Looms but the Horror of the shade,
And yet the menace of the years
Finds and shall find me unafraid.It matters not how strait the gate,
How charged with punishments the scroll,
I am the master of my fate:
I am the captain of my soul