2015/04/29

元気でいてくれて、よかった。

そう。すべては微妙に、そして不思議に繋がっている。
無料クーポンをもらったので、ジムに行くことにした。
地図をみて知ったのだが、三菱一号館美術館の隣である。
それなら、ついでに行くか、と思ったのだけれど、
まて、連休後から新築工事のため休館に入る
ブリヂストンに先に行こう、と気が変わった。
ドニとルドン、ザオウーキーの前で足が止まる。
モネの黄昏も、やっぱりいい。
数年休館予定とのこと。ぐるりと回って名残を惜しむ。
八重洲側から反対の国際フォーラム方面に出ようと歩く。
休日の丸の内は静かでいい。
新宿や渋谷のように、歩いていても見知らぬ人にぶつかったりしない。
くたびれたので上島珈琲店に入って一服。
行く手に八重洲ブックセンターが見える。
レッスンまで時間があるから、しばらく立ち読みでも、
と思った矢先に店頭で早くも運命の出会い。
北村さんだ。
新刊が出ている。
それも朝霧で終わってしまったのかしらんと思っていた「私」シリーズ、
『太宰治の辞書』。
こういうことがあるから、たまには書店に足を運ばなければいけない。
ほんとは、レッスンなんて出るのやめて読もうかと思ったんだけど、
それももったいないので、一応、出た。
いま読み終わったところ。
主人公の「私」とは、年代も一緒で、
第一作の「空飛ぶ馬」を読んだのが
ちょうど大学に入ったかどうかの頃だったこともあって、
旧友に再会したように、ほっこりする。
元気でいてくれて、よかった。
会ってみてはじめて、待っていたことに気づくこともある。
わたしも、ひとことで何とも答えることもできない何かを
今も待っているのかもしれない。