2019/03/17

隣室宴会中

年とともに読める作家が少なくなってきている。
実にまずい傾向である。
エッセイ、自己啓発本や書籍の形を取らないものの文章はわりあい許容範囲が広いはずだけれども、小説といえば北村薫、村上春樹以外はめったに受け付けなくなってきている。そういうわけで昨日から「騎士団長殺し」を読んでいて、文庫本を携えて川崎に行く。

ダンスというものを1回見ただけで正当に評価鑑賞できる人は、そうとう目が肥えた人だろうと思う。素人には早すぎて何が起こったのかよく分からない。
なにしろこちとらレッスンでスローモーションのように振りを教えていただいても飲み込むのに数度はかかるんだから。見る前からある意味あきらめの境地だが、なにぶん、なにごとも勉強であり経験である。イメージの蓄積である。
照明が消えて音楽が変わった瞬間、あ、先生の作品の出演順を覚えておくのを忘れた、と気づく。意外に作風が劇的に変化を遂げていて、先生のだと分からなかったら来た甲斐がないぞ、などと心配になる。
結果的には、心配無用だった。聞き覚えのある好きな曲だったし、ああ先生の動きだなあ、美しかったなあと溜め息をつくのみである。

武蔵小杉の駅でベーグルサンドを食してレッスンに向かう。今日もダンスができて、しあわせでした。
隣室に越してきた人が大勢を招いて宴会中。眠れないからまた村上春樹の続きでも読もう。