2019/07/13

靴下

最近靴下コレクターになりつつある。
発端は、はじめてジャズ用に買ったシューズの靴底がいまひとつ均質でなくバランスを取りにくい。靴をやめてスキンシューズなる靴下様のものを使い始めたのだけれども、ベージュ色の滑り止め、というか、個人的にはターンしやすいためについてるものと理解している異素材の箇所が毎回真っ黒になるのが気に入らない。こちらも何種類か試してみて、どうもまだお気に召すものがみつからない。
はて、靴下はいてやってる人もいるなあ、と思って靴下もためしてみた。靴下だと滑りすぎるのだけれども、最近は滑り止めのついたのもある。
職場近くのコレドに靴下屋が入っていて、昼休みに立ち寄っては各種物色しはじめたら楽しくなって、最近はどこに出かけても靴下が並んでいるのを見ると立ち止まってしげしげと眺める日々が続いている。
そんなわけで昨日もbunkamuraに映画を見に行って、途中で靴下を3足買う。アマゾンの空箱の中にまだ履いていない靴下類が10足ぐらいたまっているのだけれども。
映画の方はバレエをしている思春期の子の話で、バレエメインかしらと思って勉強かたがた見に行ったのだけれども、これがえらくつらい映画であった。主人公がどんどん精神的に追い詰められていくにつれてこちらも苦しくなってくる。終わって、ああ解放されたと正直安堵したぐらいだが、比較して自分はのんきで幸せだと思えたのがもうけものである。
主人公がトウシューズからテーピングでぐるぐる巻きの血のにじんだ足指を痛そうに出すのを見ながら、ああ自分のつき指(どっちの足だっけと迷った間にあえなく指から床に落下してやっちまったので覚えの悪い自業自得である)なんぞたいしたことではなかったなあと思う。2日間湿布をはっておいたらだいぶよくなったけれど、正しくはあの映画のようにテーピングというものをすべきだったのかもしれない。なにごとも勉強である。なにしろ人間、その気になれば親指なんて使えなくても歩けるのである。最近ちょっと強くなったと思う。