2019/09/14

空の写真が好きだ。
その昔、何冊か買い集めた写真集(または写真がたくさん掲載された本)は、引越しの際に処分したものも多かったけれど、今でも手元に残っているのは、アンリ・カルティエ=ブレッソンは別として、藤井保「A KA RI」、高橋健二「空の名前」と空が主人公のもの。
それはわたしに限ったことではなくて、空にこんなにいろんな名前を付けるなんて、人間という生きものは、空が、空を見るのが好きなんだろうと思う。名前はその愛着のあらわれだろう。
空のもとには人がいる。あの人もこの人も、生きている人も生きていない人も、実在の人も架空の人も、空でつながっている、そんな気がする。
と、ここまで打ってみて、いや、「A KA RI」の主役はやっぱり人、または灯りだろうか、と思い直す。
灯りは、希望であり、勇気だ。
このひとつの空のもと、誰かが強く、明るく、または、ほのかに、やんわりとした灯りを放ったり、受け取ったり、また返したりしながら生きていて、そんなやりとりをみているのがとても好きだなあと思う。