いやあこんな美しい曲とともにわが身体も流れるように動きたいものだと思いつつ、もう風呂に入ってご飯を食べて、さっさと眠りにつくべしと身支度を整えた。
ここは駄目押しにきよりんのピアノを聴いて、表題のごとく今すぐに寝るべし。
と聞き始めて間もなく、階下でサンドバックを叩き始めた輩がおる。もう20時を回ったのだから、あんたも早く帰って寝たらどうなのと思いながら、これが始まるとしばらく眠れない。
住み始めた頃は、これが永遠に続くのかと想像しただけで頭痛のタネになったものだったが、次第に分かってきたのは、テキも疲れる、ということである。サンドバック打ちという作業はハードワークなので、そうそう続けられない。長くて1人あたり15分程度の我慢。幸いなことに1人のようだ。そう思って、ぺちぺちとこれをしたためている。
そう、この間、天井の水漏れを直しに来てくれた修理業者さんが良いことを教えてくれた。あのサンドバックの音が建物中に響き渡って苦情の元になるのは、あれがコンクリの柱に押し付けられて柱から音が各階に伝わっているからで、サンドバックの設置場所を変えたら少しは静かになると思いますとのことだった。素人は家賃の値下げ交渉をするぐらいしか思いつかなかったが、さすが専門家はいいことを言う。
ちなみに家賃は下がらなかったが更新料は考慮してもらったので、もうあまり苦情が言えないのである。
などとどうでもいいことを打っているうちに静かになった。さて改めて、今すぐに寝よう。