2019/08/12

小学校6年の夏に引越しをした。
バスで20分程度のところだったから卒業まで通うことにしたのだが、休日に家の近くを歩いていたら、当時にしては目立つ赤いオープンカーが向こうから近付いてきて、珍しいのでしげしげと見ていたら、ハンドルを握っていたのは音楽の先生だった。
確かに、どちらかといえばおしゃれな風貌の先生だった。長髪だったし。でも小学校の音楽の先生だから、普段はふつうに地味な格好だったと思う。赤い車を見て、ああ、先生、本当はこういうご趣味だったのね、と子供心に思ったものである。

池袋で乗り換えて久喜に行こうとしていて、時間を気にしながら最寄り駅からぼんやり電車に乗った。
腕から背中まで筋肉痛である。何をしたんだっけと考えてみて、ああ、昨日満腹感去りやらぬままマーシャルに励んで、elbow三連発の振りを思い切り振ったからそれが効いたんだろうとふと窓のほうを見ると、三連発の振りを作ってくださった当の先生がすこし先の窓際に立って外を眺めていらっしゃる。
ときどき忘れてしまうけれども、先生も勤め人だから当然通勤もなさるのである。お声掛けしようか迷ったものの、朝だし、そっとしておこう、と池袋で先生いってらっしゃいと背中をお見送りする。
べつにこちらの先生は職場の顔と通勤の横顔にそれほどのギャップは感じなかったけれども、なんとなく小学校の頃のことを思い出した。

たまに食傷気味にはなるのは自分とご縁のない外国の公演とかレッスンの告知写真とかが連続して流れてきたときであって、それ以外は別に文句を言う筋合いではなく好きでフォローしているのだから自己責任である。当然ながら振付動画はもれなく見る。
この週末好きだった動画。今回は、どこが好きかははっきりしている。手がいい。いやもちろんほかもいいんだけれども。