2021/01/01

正味

御本人は無自覚なのかもしれないが、もはや恒例となった、母上が、小さい頃はほんとに可愛かったわねえ、と「小さい頃は」のあたり強調なさって写真を出してきた。

当然ながら本人はこの頃のことを全く覚えていないのだけれど、小学校高学年の音楽会で競争率高いスネアドラム係を志願して落選、結局ハイハット係になってしまったり、中学でピアノをやめてドラム教室に通い始めてみたものの、手足同時に異なるリズムで且つ高速で動かさねばならないことの予想以上の困難さに半年程で辞めることになったルーツはここにあったったのかもしれずと妙に納得。

ダンスでも、いまだに左上半身(手とか首とか)と右足を同時に反対方向に動かす、とか、またはその逆、とかの接続が殊によろしくなくて、時々眉間コイル巻き溜息となるのはそのせいである。


確かに、小さい頃はいい顔、というか、いい目をしていた。この眼差しをいつも、とは言えないけれど、せめて時々は思い出そう。そんな時間がきっと生きていることの正味だと思うから。

御節を食べ終え、徒歩15分の実家から帰宅したところ、自室の小さな台所の天井から水漏れしているのが発覚。キッチン小物と調味料の引っ越しをしながら、上階の方に向かって、できることなら、あまり派手に台所で水を使わないでほしいのですがと妙に現実的な祈願をしている2021年元旦であります。