2010/03/26

仕事のメールなんて、たいていが苦情か依頼か指示か催促である。催促以外は自助努力で防ぎようもないし、なくなったら、すなわちメシの種がなくなってしまうのだから、まあ、仕方がない。そんな中で、ごく稀に、いいな、と思うメールがある。過剰でもなく粗略でもなく、嫌味でも定型でもなく。硬すぎず柔らかすぎず、意図が過不足なく伝わる。それでいて短い。うまいなあ、と思う。
なにしろ、どうも最近日本語がヘンなのである。若い子が、とかの話ではなく、自分のが。いや昔からヘンだったよと言われれば、それまでですけど(笑)。自覚したのは、昨年末のこと。外国の人たちから、やたらとグリーティングがきて、返事を打ち終わった後の日本の人宛てのメールに、深い考えもなく「すてきなホリデーシーズンをお過ごしください」と打ち込んでポチリと送信した後、「よいお年を」と返事が来て、あれ、と思ったのが最初である。以来、英語の残像がカタカナで残っている、おかしな文章を書いている自分に気づくことが、ときどきある。すっと入ってくる自然体の日本語を送ってくれる人は、不安定で怪しげな軌跡を辿りつつある自分、もしくは自分の文章を照らしてくれる鏡のようなものであって、ありがたい。