2009/10/18

0と1のあいだ

ものさしの0cmと1cmの間、1cmと2cmの間隔は同じく1cmであるけれど、
0回(未経験であること)と1回目(経験すること)との隔たりと、
初回と2回目(再経験)の隔たり、
隔たりというのはそれを始める前の気持ちの上での障壁とでもいうのだろうか、
より具体的には、よっしゃ、始めましょ、と腰を上げるときのその重さとでもいうか、
は明らかに何かが違う。
同じ0と1であるにもかかわらず。

なぜでしょう。

などと思いながら2回目の10kmを走る。
1時間11分でゴール。
前回は1時間15分だったので、4分速くなって、1km7.1分ペース。
相変わらず市民ランナーの中でも、びりっけつレベル。
もともと運痴を自覚しているから、今更落ち込むわけもない。
遅くたって、誰からも指摘されない。
趣味とは、かくも気持ちいいものである。

さしてタイムが伸びない中で、大きな変化は、
前回は、たどり着けるだろうか、と心配で仕方がなく、
最後の1kmはよろよろしながら走っていたのだけれど、
今回はえらく余裕で、最後の2kmはペースが上がったんじゃないかと
思うくらいだったこと。
前回は終了後の心拍数は130を超えていたけれど、今回は116。
身体の環境適応性は偉大である。

グーグルマップで10kmになるまで適当に線を延ばして作ったこのコースは
実は少し急な上り坂1つ、緩やかな上り2つ、緩やかな下り1つを含む
「坂」が多いことに気がついたのも今回が初めてである。
直線コースなら、もっと早く走れるかもしれない。
とはいえ、外苑あたりを颯爽と走る人たちの仲間入りするほどのレベルでもない。

ジョガーの事故というのは意外に多いらしい。
夜目遠目でも光って分かる蛍光リストバンドなどもグッズ売り場においてあった。
歩きとそれほど変わらない速度で走っていれば、そうそう事故に遭遇することも
なかろう、とたかをくくっていたのだけれど、最近その原因がなんだか分かる気がしてきた。
走っていると、見た目以上にすぐには停止できず、
方向転換でさえも一瞬の間を置かないと「その気」になれないものなのである。
だから、向こうから障害物たる車や人が来ても、
「すいません、もしよかったら、そっちでよけていただけませんか」
と思ってしまう。私の場合、きっとその間に轢かれるに違いないので、
リストバンドを買おうかと思いはじめている。

マラソンレースに出たいなあと思うのはそういう意味が大きい。
正面からくる車や人、赤信号に煩わされず、安全な道をただひたすら走ってみたいよ、という。

さて、走力などというものはそうそうレベルアップするものでもないだろうけれども、
次の目標は、10km走で1km7分を切ること、になるだろう。